立教 GLAP 国際コース選抜は「社会問題をどう動かすか」を問う
短答式記述と提案型エッセイから見る、GLAPらしい課題解決力の鍛え方
GLAPの筆記試験は、小さな「作戦会議」に近い
立教大学GLAPの国際コース選抜は、英語の文章を読んで終わる試験ではありません。
むしろ、英文で示された社会問題を読み取り、
「では、自分ならどう働くか」
を考える試験です。
GLAPは、英語でリベラルアーツを学び、1年間の海外留学を経験し、帰国後にHumanities、Citizenship、Businessの領域で専門性を深めていくプログラムです。
しかし、入試で見られているのは、単に「英語環境に適応できそうか」だけではありません。
読んだ情報を整理し、問題の核心をつかみ、現実に動かせる提案へと変換できるか。
ここがGLAPらしいポイントです。
「グローバル・リーダー」は、強い人のことではない
GLAPのアドミッション・ポリシーでは、「自ら考え、行動し、世界と共に生きる『グローバル・リーダー』」という方向性が示されています。
この言葉を、ただ「英語ができて、海外で活躍する人」と理解すると、少し浅くなります。
GLAPでいうリーダーシップは、もっと実践的です。
・困っている人がいる。
・制度がうまく届いていない。
・立場の違う人たちが、同じ問題を別々の角度から見ている。
そのような状況で、誰の声を聞き、どの資源を使い、どの順番で問題を動かしていくのかを考える力です。
つまり、GLAPが求めるリーダーは、目立つ人というより、問題の中に入り、他者と協働しながら解決の道筋を作れる人だと言えます。
2025年度と2026年度に共通するもの
2025年度は、アメリカの大学におけるアファーマティブ・アクションをめぐる問題が扱われました。
大学が人種的多様性を保とうとしても、法的制限や制度上の壁がある。その中で、どのように公平性と多様性を両立させるかが問われました。
2026年度は、日本の子どもの貧困と教育格差がテーマでした。
子ども食堂や無料塾のような民間支援、学校の役割、教師の多忙さ、行政による予算や人員配置などが関わる、かなり複雑な問題です。
一見すると、2年分のテーマはかなり違います。しかし、出題の根本は共通しています。
それは、「社会問題を見て、誰かの責任だと片づけるのではなく、複数の立場から解決策を組み立てられるか」ということです。
この点で、GLAPの入試は、単なる英語エッセイではなく、課題解決のシミュレーションに近いと言えます。
Question 1・2は、情報を削る試験
GLAPの筆記試験では、Question 1・2として短答式の記述問題が出されます。
ここでは、長く書く力ではなく、短く正確にまとめる力が必要です。
20〜30語、または20〜40語という制限の中で、本文の核心を英文でまとめなければなりません。
これは意外に難しい作業です。
本文を読めていても、余計な情報まで入れてしまうと語数を超えます。逆に削りすぎると、答えるべき内容が落ちます。
必要なのは、本文の中から「この設問に本当に必要な情報は何か」を見抜くことです。
2026年度で言えば、民間団体が行う支援として、子ども食堂や無料の学習支援を押さえる。学校の対策としては、教師の業務負担を減らし、生徒への個別支援の時間を確保するという流れをつかむ。
このように、GLAPの短答式記述では、読解力だけでなく、情報を圧縮する力が問われます。
Question 3は、答案というより「提案書」である
GLAPの本丸は、Question 3の英文エッセイです。
ここでは、社会問題について自分の立場から解決策を提案します。
特に2026年度は、2つの異なる立場を組み合わせる形式でした。たとえば、教師と政治家、民間支援団体のスタッフと行政官のように、現場と制度の両方から問題を見る必要があります。
この形式では、ただ「子どもを助けるべきだ」と書いても足りません。
・教師として何ができるのか。
・政治家として何を制度化できるのか。
・行政はどのように予算や人員を配置できるのか。
・民間団体の支援を、どうすれば一部の地域だけで終わらせずに広げられるのか。
こうした具体性が必要です。GLAPのQuestion 3では、気持ちの強さよりも、提案の組み立て方が見られます。
「何をするか」と「それによって何が改善するか」を、常にセットで書くことが大切です。
対策では、ニュースを「役割別」に読む
GLAPを目指すなら、社会問題に触れるときの読み方を変える必要があります。ニュースを読んだあとに、「かわいそう」「大変そう」「政府が何とかすべきだ」で止めないことです。
たとえば教育格差の記事を読んだら、次のように考えてみます。
教師なら何ができるか。
学校なら何を変えられるか。
自治体ならどの制度を作れるか。
国ならどこに予算をつけられるか。
NPOならどの部分を支えられるか。
生徒や地域住民はどう関われるか。
このように、同じ問題を複数の役割から見る練習が、GLAPのQuestion 3に直結します。
さらに、現場でできる小さな支援と、制度として広げる仕組みをつなげて考えることが重要です。
GLAPのエッセイでは、「思いやり」を「仕組み」に変える力が求められているのです。
まとめ
立教GLAP国際コース選抜では、英語力はもちろん必要です。
しかし、それ以上に大切なのは、英文で示された社会問題を読み、必要な情報を短く整理し、現実的な解決策として組み立てる力です。
GLAPを目指す人は、英語長文や英文エッセイの練習に加えて、社会問題を「誰が、どの立場で、どう変えられるか」という視点で考えてみてください。
その積み重ねが、GLAPで問われる課題解決型リーダーシップにつながっていきます。