上智 FLA 推薦入試で問われる「リベラルアーツ的な考える力」
英語エッセイから見える、上智大学国際教養学部 が求める受験生像
FLAは「英語で学ぶ場所」で終わらない
上智大学国際教養学部、通称FLAを志望する受験生の多くは、英語で学ぶ環境に強い関心を持っていると思います。
授業が英語で行われること。多様な国籍や背景を持つ学生が集まること。国際的な雰囲気の中で、比較文化、国際ビジネス・経済、社会科学などを学べること。
こうした点は、もちろんFLAの大きな魅力です。
ただし、FLAを「英語で授業を受ける学部」とだけ考えてしまうと、推薦入試の本質を見誤るかもしれません。
FLAが重視しているのは、英語そのものだけではありません。むしろ、英語を使って、複雑な社会や文化、人間の価値観について考え、自分の立場を論理的に表現する力です。
リベラルアーツとは、幅広く学ぶだけではない
FLAの中心にあるのは、リベラルアーツ教育です。
リベラルアーツというと、「いろいろな分野を幅広く学ぶこと」と理解されることがあります。もちろん、それも大切です。しかし、それだけでは十分ではありません。
大切なのは、異なる分野をつなげながら、一つの問題を複数の視点から考えることです。
たとえば、気候変動を考えるとき、科学の知識だけでは足りません。経済、政治、倫理、文化、国際協力、人々の生活習慣まで関係してきます。
AIについて考えるときも、技術の便利さだけでなく、教育、労働、情報の信頼性、人間関係への影響を考える必要があります。
FLAのリベラルアーツは、このように、ひとつの正解にすぐ飛びつかず、問題の背景を広く見渡し、自分の考えを作っていく学びだと言えます。
近年の入試は、少しずつ「実践型」へ変化している
上智FLAの推薦入試では、English Aptitude Testとして、英語でエッセイを書く力が問われます。
2024年度は、不確実な未来に向けて、どのような価値観を持つべきかを問う問題でした。未来社会、古い価値観、新しい価値観という、かなり抽象度の高いテーマです。
2025年度は、リベラルアーツ教育そのものの意味が問われました。どのような学びを重視すべきか、その学びが21世紀を意味ある形で生きるうえでどう役立つのかを考える問題です。
そして2026年度は、日本社会に前向きな変化をもたらす新しい法律を提案するという、政策提案型の問題になりました。
この流れを見ると、FLAの入試では、単に「よい意見」を英語で書く力だけでは足りないことがわかります。
抽象的な価値観を考える力。学びの意味を自分の言葉で説明する力。そして、社会課題を具体的な制度や提案に落とし込む力。
これらが、少しずつ形を変えながら問われているのです。
上智FLAのエッセイで避けたいこと
FLAのエッセイで避けたいのは、きれいな一般論だけで終わる答案です。
たとえば、
「国際理解は大切です」
「多様性を尊重すべきです」
「社会問題を解決する必要があります」
という内容自体は間違っていません。しかし、それだけではFLAの答案としては弱くなります。
なぜ大切なのか。どのような場面で必要になるのか。自分はどの立場からその問題を考えるのか。どのような具体例や制度によって、その考えを支えるのか。
そこまで書けて初めて、説得力のあるエッセイになります。
特に2026年度のような政策提案型の問題では、「社会をよくしたい」という気持ちだけでは不十分です。どの問題に対して、どのような法律を作り、誰がそれを実行し、どのような効果が期待できるのかまで考える必要があります。
対策は、英語を書く前の「考える練習」から始まる
FLAを目指すなら、英語エッセイの型を覚えることはもちろん大切です。
導入、本論、結論を作る。最初に主張を示す。具体例を入れる。最後に全体を回収する。こうした基本は必要です。
しかし、それ以前に大切なのは、普段から社会や文化について考える習慣です。
ニュースを読んだときに、「これはなぜ問題なのか」と考える。異なる立場の人が、なぜ別の意見を持つのかを考える。自分ならどの価値を重視するのかを言葉にしてみる。
さらに、「この問題を制度として解決するなら、どんな仕組みが必要か」と考えてみる。
こうした練習は、FLAのエッセイ対策に直結します。
まとめ
上智FLA推薦入試で問われるのは、英語が書けるかどうかだけではありません。
英語を使って、価値観、教育、社会課題、制度、共生について考えられるか。その考えを、読み手に伝わる形で組み立てられるか。そこが重要です。
FLAを目指す人は、英語を「正しく書く」練習に加えて、複雑な問題を自分の頭で整理し、具体例や理由を使って説明する練習を積み重ねていきましょう。
その積み重ねが、上智FLAの推薦入試で必要になる、リベラルアーツ的な考える力につながっていきます。